行ってきます
翌日、エドワードは司令部へ来ていた。
イーストシティに着いてから、爆破事件やロイの非番などが重なり、報告書の提出が今日まで延びていたのだ。
「やっと報告書を渡せたぜ」
「待たせてすまなかったな」
「いや、中尉に預けてもよかったのを、オレが勝手に待ってただけだから」
そう言って笑うエドワードに、ロイも微笑む。
「此処には何時までいるんだ」
「今日の夕方の汽車で発つよ」
「随分と急だな」
「急じゃねーよ、この数日でやる事はすませたからな」
エドワードが、呆れを含んだ笑みをうかべる。
「今回は何処に行くんだ?」
「南に行ってみようかと思ってる」
ロイが机の引出しから封書を取り出し、エドワードに差し出した。
「では、この調査を頼むよ」
「了解!」
封書を受け取り、扉へと向かうべく背を向けた。
「鋼の、気を付けて行っておいで」
その言葉に驚きの表情でロイを見る。
「どうした?」
「いや、大佐からそんな言葉が出るなんて思ってなかったから」
ロイが笑いを堪えて、楽しそうにエドワードを見る。
「そんなに以外かね?」
「あぁ、以外だな」
「君の以外な面を見たから、感化されたのかもしれんな」
とたんに、エドワードが赤くなる。
「こういうのも悪くあるまい?」
「まぁ・・・な」
照れたように笑うエドワードを、ロイが笑顔で見ていた。
「行っておいで」
「行ってきます」
笑顔で敬礼をすると、扉から出て行った。
ロイは暫く扉を見詰めた後、書類へと目線を移した。
あとがき
お題2作目ですが・・・ありきたりなネタになってしまった
Novel-F.A
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