望ではなく
誰かを好きになるのは苦しい・・・
そんな事さえ知らなかった。
俺は哀しいくらいに子供だ。
どんなに知識を詰め込んでも、経験には敵わないと痛感した。
人より辛い思いもした、それこそ絶望としか言えない闇を見た。
言い様のない後悔と、押し潰されそうな罪をこの身に刻んだ。
今だって、どうしても叶えたい望みの為に、不確かな術を求めて足掻いている。
でも知らなかったんだ・・・
唯一人を求める切なさを
泣きたくなる程の愛しさを
肉親に向かう想いとは違う狂おしいまでの想い
こんな感情が自分の中にある事を知らなかった
そして、愛し合う歓びと共にある安らぎも知らなかった
それは全てアンタが教えてくれた事
『エドワード』
ほら、声を聞くだけで鼓動が早くなる
微笑んでくれるだけで顔が綻ぶ
抱き締められたら安心する
口づけを交わせばアンタしか見えなくなる
体を重ねたら歓びで涙が零れる
それでも、側に居る訳にはいかない・・・
果たさなければならない望みが
この身に代えても叶えなければならない望みがあるから
だけどアンタと離れてるのは辛いんだ
泣きたくなる程切ない・・・
瞼を閉じれば浮かぶのはアンタの姿
アンタに逢いたくて、押さえ切れない衝動に襲われる
なぁ・・・望みを叶えたらアンタの側に居てもいいか?
アンタの側に居たい
それが俺の願い
あとがき
望は自分で叶えるもので、願いは自分の力だけでは叶わないものって気がするんです。
だから何かに願を掛けたり、祈ったりするのではないかと思うのですが・・・どう思います?