暖かさと温もりと2




なんでこんな目に・・・俺はヌイグルミじゃねーんだぞ

溜息をつくと、エドワードの気分が少し落ち着いた。
起き上がるのを諦めて体の力を抜くと、暖かな陽射しが窓から差し込んでいるのに気付く。
光を辿るように目線を動かせば、窓の外には澄んだ青空が見えた。

そういえば、空をちゃんと見たの久しぶりだ・・・
小さい頃アルと二人で、空を掴もうと手を必死に伸ばしたっけ。
あの頃は母さんも元気で、まだアイツも居たな・・・

脳裏に浮かんだ父親の後ろ姿を振り払うように、エドワードは軽く頭を振ると目を閉じた。
そうして、感じる暖かさが陽射しだけではないことに気付く。

人の体温に包まれるのも久しぶりだ・・・こんなに温かいものだったかな

瞳を閉じたまま、ぼんやりと考えていたエドワードは、何時しか眠りの淵へ落ちて行った。


エドワードが穏やかな眠りに落ちると、ロイが目を開いた。

「鋼の、休息も必要なのだよ」

囁くように言うと、エドワードの髪を優しく撫でた。
金色の髪が陽射しを弾いて、撫でるたびにキラキラと輝く。

木漏れ日のようだな・・・まるで優しく降り注ぐ無数の光のかけら。
君は知らないのだろうね、その光に、優しさに私が救われていることを・・・きっと気付きもしないのだろうな。

愛しい少年を腕に抱えて、幸せそうに大佐が笑う。
そんな二人を包み込むように、暖かな陽射しが照らしていた。



暫くして執務室を訪れた中尉に促され、渋々仕事に取り掛かったロイの腕には、コートに包まれ眠っているエドワードが抱き抱えられていた。 。



あとがき

すいません;もう、突っ込みどころ満載ですね。
この話、最初は大佐廊下に寝てたんですよね〜しかも扉の前(笑)
それをエドが呆れた顔して見たあと、大佐を跨いで行く話しだったんです
あまりな話だったので、結果こうゆう話になりました




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