発熱2




ロイは手早く書類を終わらせ、エドワードを抱き抱えて執務室を出た。

「大佐、すいません。兄さんが迷惑かけてしまって」
「かまわないよ」

アルフォンスがエドワードの様子を伺うと、大佐に抱かれて穏やかに眠る姿に少し安堵した。

「中尉、書類はテーブルに置いてある」
「お疲れ様です、エドワード君どうですか?」
「熱は下がってないよ」
「大将無理しすぎっスよね」
「顔色良くないですね」
「少し痩せたのではありませんか?」
「メシ食ってんですかね?」

指令室のメンバーが心配そうに、エドワードを覗き込んでいく。

「ゆっくり休めば、すぐに良くなるだろう」
「早く元気になるといいですね」
「大佐、車を表に回しますよ」
「あぁ、ハボック頼む」
「あの大佐、兄をお願いしてもいいですか?」
「私は連れて帰るつもりだが、君も来るといい」
「いえ、ボクは遠慮します」
「宿に一人で居るのは寂しいだろう?」
「駅から直接来たので宿は取ってないんです、ボクここにいたらだめですか?」
「それは、かまわないが」
「良かった!それに、ボクが居ると兄さん甘えられないだろうから」

そう言って、アルフォンスがエドワードの手を指差した。エドワードはロイの軍服を握り締めていて、普段見られない姿に笑みが零れる。

「わかった、責任を持って預かるよ」
「お願いします」
「大佐、車の用意が出来ました」
「わかった、お先に失礼するよ」
「お疲れさまでした」



ハボックの運転で自宅まで帰って来ると、エドワードをベットへと寝かせた。

「ん・・・」
「起こしてしまったか?」
「ロイ・・・ここ・・どこ?」
「私の家だよ、ゆっくり寝ていなさい」
「ん・・・」

エドワードの頭を撫でて、立ち上がる。

「どこいくの?」
「着替えてくるよ、それと何か食べるものを持って来よう」

縋るような目で見てくるエドワードに微笑んで、ロイはもう一度頭を撫でた。

「心配しなくていい、すぐに戻って来る」
「うん・・・」
「眠いなら寝ていなさい」

ベットから離れると、クローゼットに向かい手早く着替えをすませる。
エドワードの様子を伺い、眠っているのを見ると、静かに部屋をでた。

軽い物しか食べられないだろうと、ロイは林檎を小さめに切り、水と薬と一緒に寝室へと運ぶ。
扉を開けると、エドワードがこちらを見ていた。

「起きていたのか?」
「うん・・・ロイがいないから・・・寝れない」
「そうか」

素直に甘えてくるエドワードに、笑みが漏れる。



林檎を食べ、薬を飲んだエドワードはロイを見上げた。

「ロイ、だっこして」
「いいよ」

甘えるエドワードに微笑んで、隣りへ横になった。
エドワードは擦り寄って来ると、ロイの胸に顔を埋めて服を握り締めると、安心したように瞳を閉じた。



ありがちな話ですね〜体調不良の時って誰か傍にいてくれると安心しますよね、それが大好きな人なら言うことなしです(笑)



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