図書館




図書館特有の、重さを含んだ空気と、微かな埃の匂いが空間を満たしていた。
ペンと紙だけが微かに音をたてている室内に、歩みを進める靴音だけがやけに響く。
その靴音が左右で違う事に気付いたロイが、読んでいた書物から顔をあげた。
机を挟んだ向いには、予想どうりの人物。

「やぁ、鋼の」
「こんな所で何してんの?」

ロイがいつものように声を掛ければ、エドワードから珍しいものでも見るような視線が返ってくる。

「見て判らないかね?」
「・・・さぼり?」
「相変わらず失礼だな」

あまりの言葉にロイが苦笑を浮かべた。

「少し調べものがあってね」
「調べものね〜」
「君こそ珍しいじゃないか」
「何が?」
「図書館に来て本も見ていないようだが」
「アンタを探してたんだよ」
「私に用事か?」
「そう、報告書の提出と書庫の閲覧許可が欲しくてさ」
「それは、手間を掛けさせて悪かったね」
「あぁ、まったくだぜ」

何処までも不遜な態度のエドワードに、ロイが笑みを浮かべる。

「急ぐかね?」

急ぐといえば急ぐが、僅かの時間を惜しんで急くほどでもないと、一瞬で考えを巡らせる。

「いや」
「では、少し待っててくれないか?後少しで終わるのでね」
「・・・わかった」

エドワードは向いの席に座ると、ロイが積み上げていた本から1冊抜き出し表紙を開いた。



あとがき

書いてて何が言いたいのか自分自身でわからないよ・・・




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